コロナと女性と後遺症

2021.11.13

氏名 宮元 秀昭【呼吸器外科】
経歴 秋田大学医学部卒業
社会福祉法人三井記念病院外科レジデント
国立がんセンタ-内視鏡部非常勤医師・外科研修医
社会福祉法人三井記念病院外科医局長
社会福祉法人三井記念病院呼吸器センタ-外科科長
順天堂大学医学部胸部外科学講師
順天堂大学医学部附属順天堂医院 呼吸器外科診療科長
順天堂大学医学部外科学助教授(呼吸器外科学研究室室長兼務)
順天堂大学医学部附属順天堂医院がん治療センター併任
一般財団法人脳神経疾患研究所附属呼吸器疾患研究所所長
総合南東北病院・南東北医療クリニック呼吸器センター センター長
NPO法人女性呼吸器疾患研究機構 設立 理事長就任
公益財団法人 日本医療機能評価機構 評価調査者委嘱

コロナと女性と後遺症

イギリスで発表された2つの研究で、40代と50代の女性に新型コロナ感染症での退院後、後遺症のリスクが高いことが示されました。多くは何か月も倦怠感や息切れ、ブレインフォグなどの症状が続いていると訴えています。

1つはPHOSPと呼ばれる研究で、中年の白人女性で、糖尿病や肺、心臓の病気などの基礎疾患がある場合は、退院後5カ月たってもコロナ後遺症を訴える確率が高かったという結果でした。

もう1つの研究は、50歳未満の女性は男性や50歳以上に比べ、基礎疾患がなくても倦怠感が2倍、息苦しさは7倍、記憶や動作や意思疎通の問題もより多かったという結果でした。

PHOSPの研究に参加した医師の1人は、男性と女性の免疫反応の違いが女性にコロナ後遺症に多いことの説明になるかもしれないと指摘。中年期の女性には自己免疫が多いことが知られています。

新型コロナウイルス感染者のうち、女性の方が男性より倦怠感や味覚障害などの後遺症が出やすい傾向があることが、日本の国立国際医療研究センターの調査で分かりました。とくに、倦怠感は約2倍、脱毛は約3倍。男女全体では4人に1人が発症から半年経っても何らかの症状を抱えていることも明らかになりました。私の専門である息切れなどの呼吸器症状に限って言えば、1か月以内 約 20%、100日ほど後約5%、半年後 約4%、1年後1.5%が後遺症として残っているという報告でした。

もしも、今この瞬間、後遺症に悩む方がいらっしゃれば、ご相談をお伺いしますので、東京クリニックの呼吸器外来を受診してください。

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