ドクターコラム 「ドライアイ」とは

眼科 飯村 宗也

2024年9月3日掲載

ドライアイの症状について

  • 子宮頸がん検査
  • ドライアイとは涙の分泌量が少ない、またはその質の低下によって、眼表面の角膜の上皮障害によりバランスが崩れた状態をいいます。自覚症状には主にごろごろとした異物感や乾燥感がありますが、充血、疲労感、霞み、まぶしさなど様々です。

診断方法

ドライアイの診療においては、涙液層(水分、脂質、ムチン)を観察し、涙液層の崩壊パターンから診断をします。

  1. 主に涙液減少型
    涙の量が少ない
  2. 水濡れ性低下
    涙液層の安定性が低下する
  3. 蒸発亢進型
    様々な原因で涙液の蒸発が亢進する
に分類されます。

現代人はドライアイになりやすい?

現代社会はスマートフォンやパソコン、テレビなどの画面を見続ける機会が多く、瞬きが少なくなりがちです。また冷暖房の影響も大きく、室内が乾燥しやすくなります。

危険因子としては以下のようなものがあり、現代の生活スタイルが一因となっています。

  1. 加齢により涙の質や性質が低下
  2. 女性
  3. デスクワークなど長時間画面をみること
  4. 喫煙
  5. 涙の分泌を減らす飲み薬
  6. コンタクトレンズ装用
  7. 膠原病などの全身疾患

ドライアイの治療について

ドライアイの治療は、おもにヒアルロン酸点眼による対症療法がメインとなります。

角膜表面の涙液の安定に役立っているとされる「膜型ムチン」が少ないタイプの場合は、ムチン産生を増やす点眼薬であるジクアス、レバミピドが有効です。重症な場合は、涙点(涙の排出口)に蓋をして涙の排出を抑える、涙点プラグが行われる場合もあります。

普段の生活で目の不調を感じる場合は、一度眼科を受診してみてください。